「定番酒を探す 新酒16BY」
一か月ほど前、酒販店Kが主催する日本酒の会に行ってきました。テーマは16BYの新酒をだだーと味わおうというもの。
出品酒は全部で50種類。瓶は新聞紙で包まれ、栓も入替えてあります。先入観を排して探そうという趣旨ですね。
15もの蔵元が参加されてました。
会のリーフレットには参加蔵元からのメッセージが寄せられています。16BYの造りや目指した味わいなどが書かれています。
今回のエントリーでは、このメッセージを抜き書きしたのと自分のノートを並べてみたいと思います。
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1)飛露喜特別純米
福島県会津坂下町 廣木酒造本店
「味に深みを出すこと」が16BYのテーマだそうです。
自分の感想は「微果実香、米。軽い酸とこれについて来れない茶旨味。酸水甘酢硬さ残り」。1~2勺ほど口に含んだだけだからか、あまり「深み」の印象はありませんでした。
もう少し飲めば「茶旨味」のところが延びていったかもしれません。
少し前に飛露喜を飲んだときは「深み」感があって、とても旨かったです。
2)天寶一清吟
広島県神辺町 株式会社天寶一
「基本コンセプトは『食に合った酒造りをする』」「より米の旨味とキレを追求した酒造りを目指し」たとのこと。
酒販店サイトでは、「人気上昇中の蔵元が、口当たり、喉越しに拘った酒を出荷してきました。きれいな吟醸造りで、しっかりと米の旨味を感じさせてくれる仕上がりの良さ、芯の通った酒として楽しむことができます」との評価。
自分のノートは「セメダイン、木質香。旨味、水触り、甘味渋み苦味balanced」。旨味やいろいろな味のバランスの良さが好印象でした。
3)奈良萬純米中垂れ
福島県喜多方市 夢心酒造
「全量火入れ前の炭ろ過が無くなり」「火入れ後も急冷低温貯蔵になり」「味わいがよりいっそう出てきた」。
杜氏が代わられたそうですが、酒質は変わらず、伝統の味は守られているとのことです。
ノートは「軽い甘酢果汁香。セメダイン感+果汁味中厚。茶甘味延び」。以前に比べどうかは分りませんが、かなりはっきりとした厚みと延びのある味わいだったと思います。
4)佐久の花純米吟醸直汲
長野県臼田町 佐久の花酒造
16BYのテーマは二つ。一つは「引き込みは優しくスムーズでありながら、口の中で弾けるように広がり、心地よい余韻と共に消える酒」。
二つ目は「しみじみと旨く、疲れを癒し、リラックスできる、全体的にバランスの取れたの見つかれ(ママ)することのない、飲んだ後に余韻を与えてくれる旨い酒」。
前者は純吟、辛吟などの生原酒。後者は加水、火入れのものとのことです。
純米吟醸直汲は前者でしょうか。
なお、酒販店サイトによると「微量なガスを残しながら丁寧に一本ずつ瓶詰めをした」とのこと。
自分のメモはと。
げ。
「微灰甘酢香。炭酸感。酸水、酸っぱさ、硬い」。あまり好みでなかったようです。ただ「弾けるように」のところはわかるな、と。
5)南部美人純米吟醸
岩手県二戸市 株式会社南部美人
味わいコンセプトについては書かれてませんが、造りについて厚く(熱く?)書かれています。
「昨年から米洗いに新しい設備を導入し、吸水管理や糠の処理が格段に向上しました」とのこと。
今年から本格的に愛山での酒造りもはじめられたようです。黒を基調とした銀杏のような文様のあるラベルの酒でしたね。
この日の出品酒についてのメモは「セメダイン、梨苦味。極軽。水口。梨果汁」。かなり軽く感じられたようです。
そういえば愛山の純米吟醸は、シャープで細い線上にいろいろな味が堆積するような感じ(layered?)でした。
6)鯨波純米吟醸
岐阜県中津川市 恵那醸造
「東京市場を視野に入れた地方色豊かな純米酒」「味があってキレがある」酒を目指して、「岐阜県産ひだほまれを50%まで削り全量手洗いを敢行」、麹は箱、仕込みは1トンで『丁寧に』をモットーに造りました」とのことです。
自分の感想は「甘酢香、麹。しっとり広がる。甘味旨味+酸。薄口味有りbalanced」香りは好みでなかったですが、味わいは(・∀・)イイ!。確かに「味があってキレがある」でした。
7)天明純米初しぼり
福島県会津坂下町 曙酒造
今年は13種類仕込み「どれも天明とわかる個性的な雰囲気を持ちながら、全部の違いが明確」というのが造りのコンセプトのようです。じっくり飲める奥深い天明になりそうとのことでした。
出品されたのは純米初しぼり。【1月その4】でも飲んだ酒です。
今回のノートは「ミネラル、微セメダイン。軽い水口。茶甘balanced薄口広がり。上品」。
(・∀・)イイ!です。天明。この酒は好みですね。
8)山喜純米吟醸山田錦
神奈川県津久井町 久保田酒造
初めて見る蔵元のお酒です。
「普通酒主体の田舎蔵に戻って3年目。」「特定名称酒主体の蔵に生まれ変わる」ため、設備の更新や造りの見直しに取り組んでいるようです。
感想は「高め酸水強め当り。味出短く。ぱっと終る」。
個人的には好みでなかったです。
参加者の投票では3位でした。
9)屋守純米中取
東京都千代田区? 豊島屋本店
「再度初心に戻り仕込みました」とのこと。もう少し味わいの目標などについてメッセージ書いてほしかったです。
ノートは「バナナ香強。強甘味当りだが、意外に軽旨口。スッキリとキレる」。鳳凰美田かと。
バナナ感はちょっと苦手ですが、すっきりした後口のところは良かったです。
10)天青千峰純米吟醸純粋9号
神奈川県茅ヶ崎市 熊澤酒造
「醪日数を延長することにより口当りの良さと米本来の旨みを出すことを心掛けました。酵母と原料米により酸、アミノ酸の出かたも特徴的でしたが自然のままに発酵させながら良い酸のバランスを取り酸の心地良さと後味のキレを出しました」。
造りとそれで目指す味わいのコンセプトを関連付けていて、飲み手に分り易いメッセージですね。
自分の感想は「セメダイン+果実香。柔らか包み、ぬるみ甘味旨味。中厚で甘酢感も」。今まで天青-に感じていた印象よりもより甘味があり厚みがあったようです。
11)陸奥八仙特別純米中汲
青森県八戸市 八戸酒造
「含み香・味・キレに重点を置き、このキーワードに近づくため麹作りから細心の注意を払いました。」「八戸の蟹沢という場所のやや軟質の原水を用い」るそうです。
自分の感想メモは…。
あれれ。
「セメダイン臭い。強い癖。嫌な感じ。酸水。Al辛い熱い。」
これまでこの日本酒の会でブラインドで飲んだ陸奥八仙の印象は比較的良いものだったのですが、この日はかなり苦手な感じだったようです。
「癖」ってどんな癖だったかうまく表現できればよいのですが…。忘れてしまった…。
12)豊盃純米初しぼり
青森県弘前市 三浦義夫さん
「今年のお米は少し米の力がない感じがしました。」「今年は酸度を多くし、食べながら飲んで、冷でも燗でも『ついついもう一杯飲んでしまう』お酒を目指しました」とのこと。
ノートは「水、微果実香、バナナ。軽い。苦味甘味水+バナナ、梨、リンゴ」。果実味たっぷりの味わいだったと思います。酸度が多い、というのはこういう感じなのかな。
合わせて食べるものがこの果実味とぴったりくれば、いけそうです。タレ漬け肉のジンギスカンなんてどうでしょう。
13)貴特別純米直汲
山口県宇部市 永山酒造
地元契約農家で作った日本晴れを利用した純米酒山廃仕込みを秋には製品化するとのことです。出品酒についてのメッセージはなかったです。
「微セメダイン。木風味苦味。酸水。苦味渋み。喉に木質感残り」。どうも好みではなかったようです。
14)結人純米吟醸
群馬県前橋市 柳澤酒造
蔵元のメッセージによると、この純米吟醸は「華やかな吟醸香と芳醇な旨味、後味のキレの良さを目標に仕込みを行いました」とのこと。また、「今までと大きな違いは、上槽から火入れまでの時間を如何に短くすることができるかに注意を払ったことです。今までは上槽から7日~10日で火入れを行いましたが、現在では3~5日に短縮することができ」たそうです。
火入れのタイミングを変えることにより、味わいをどのように変化させるのかも書いてもらえるとうれしかったです。
個人的にはこれも好みではなかったようで、「微灰甘酢香。炭酸感。酸水、酸っぱさ、硬い。で、味気ない」というメモが残ってます。キレの良さはともかく「芳醇」な印象は受けませんでした。
なお蔵元のHPを見ると
「幣蔵代表酒、「上州一桂川」等は、ブドウ糖を多くさん残して、甘口のお酒をいかに、五味と調和して甘味だけを強調しないように、スッキリ飲めるかを求めているお酒です。」とありました。
結人ブランドは新たな挑戦なのでしょう。
15)月の井特別純米
茨城県大洗町 月の井酒造店
「昨年までは『すっきりとした端麗な酒』を特徴としてました。地元でもそれを評価していただいておりましたが、現在の酒嗜好を考え、すっきりしながらも味わい深い酒を造ることを心掛けました」
「老し、かつ出麹歩合の少ない麹を作ることにより、味のある、濃厚ですっきりとした酒ができました」。蔵元の方針がはっきり書かれたメッセージです。
自分のノートは「茶甘香。軽い苦味、木質感。ザラザラ。extreme。硬水?喉に苦味梨、木質感」。濃厚というわけではないですが、いろいろな味のある複雑な感じ。すっきりというより、かなり個性的な印象が残りました。
※ 順番はリーフレット記載順=主催者へのメッセージ到着順。
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50種類のお酒を1時半くらいで次々と試していきました。
1種類について1~2勺くらい口にするだけですので、物足りないです。
軽い酒やすっきりしたなかで酸味がとくに目立つ酒などは、個人的にはこういう場ではどうしてもイマイチという印象になってしまいます。
15種類くらいをじっくり飲む会だと、軽めの酒や酸味に特徴のある酒もじっくり味わえていいんじゃないかと思うのですが、種類が少ないと興行的には難しいようです。
この日の参加者は約80人。気に入った酒の投票結果が最後に発表されました。
1位は九嶺純米吟醸斗瓶取り(広島)。10票。
2位は星自慢特別純米(福島)。7票。
3位は、さきほど紹介した山喜でした。
他の参加者に聞いてみると、総じて軽めでさっぱりとした酒が多かったとの声が多かったです。たしかにそんな感じでした。
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コメント
飛露喜に佐久の花、昨日私も飲んだので
TBさせていただきました。
飛露喜は純米吟醸雄町だったのですが、
特別純米は今年は良い出来だ、と聞きました。
佐久の花、やっぱり「優しい」という印象でした。
投稿 まき子 | 2005.04.26 13:11
今年の飛露喜-、旨いですよね。
あちこちから好印象だったという感想を聞きます。
バランスが良くて延びがあるところが(・∀・)イイ!です。
投稿 菱沼かれい | 2005.04.26 22:09
おおー、
「延びがある」
まさにその表現です!!
うまいですね~。
もう私は自分のボキャブラリーというかシズルの乏しさに情けなや・・・。
でも、ホントに飛露喜は、年々安定して良くなってきてるなぁ、
という印象です。
投稿 まき子 | 2005.04.26 22:15
鯨波純米吟醸。こいつも先月、岐阜の酒の会(スタッフとして参加)に蔵元が参加してました。何かタイムリーな酒が最近多いなぁ。
投稿 桂自然 | 2005.05.05 00:22